暑中お見舞い申し上げます
暑中お見舞い
株式会社ZENホールディングス
代表取締役
小林 憲司
初夏の候、皆様におかれましては
ますますご清栄のことと拝察いたしております。
2016年の上半期は多くの予想外がありました。昨年好調を維持してきた株式相場は年明けから変調をきたし、日経平均の現在値は昨年末比約3000円低い16000円程度で推移し、外国為替も昨年末1ドル120円であったものが、現時点で106円の円高になっています。1月29日には黒田日銀総裁が金融政策決定会合でマイナス金利の導入を発表し、6月1日には、安部首相が、消費税率の引き上げの再延期を公表しました。
国内の景気に急激な悪化があったようには感じられないのですが、安倍首相は変調を自ら演出し消費税率アップの公約を変更するのは如何なものでしょうか?アベノミクスの登場により、日本全体が好転するという幻想を抱き、それによって消費も株価も上昇してきましたが、その幻想から目が覚めてきているのが変調の原因といえるかもしれません。マイナス金利を導入しても為替は一瞬円安に振れたものの、殆ど効果はなかったのはアベノミクスのアナウンスメント効果が薄らいでいる証拠といえると思います。
景気は気であり、皆が良くなると思えば消費も増え実際に景気が良くなるといわれるように、その時々の雰囲気が大切であります。安倍首相は、アベノミクスという雰囲気を作り出し一時的にせよ景気を押し上げたという点で評価されるのかもしれませんが、それが幻想であることが分かった時の失望も想定しておく必要があるように思います。
考えてみれば昨年末の時点でも現在の変調を予期させる事象はところどころに生じていました。例えば、中国経済の低迷、アメリカの景気も想定通りに回復しないこと、及び日本の消費者物価指数の低迷などです。時の政権はパフォーマンスや雰囲気作りで実績を上げようとしますが、その様な時こそ物事の本質を見極める力が必要であると思います。