ZEN CLUB

豊かな暮らしを創るコミュニティ・ペーパー

Number.483

大学教授のつぶやき8

Relay Essay 語りの部屋

もともと地上に道はない。
歩く人が多くなれば、それが道となるのだ。

-魯迅(ろじん)-
(中華民国の小説家、翻訳家、思想家)

今回はシューカツ(就職活動)最前線を取り上げ、関連最新用語もご紹介しよう。

バブル崩壊後「就職氷河期」と言われた時期があったが、現在では一転し【人手不足】や【景気回復基調】等を背景に「売り手市場」となっている。比較的有利な立場になったはずの学生であるが、就職先選択などに悩んでいたりする。そもそも働くことの意味や目的も見出せていない【今どき学生】も見受けられる。これを【ハタモク(働く目的の省略形)】と呼び、その名前で社会貢献活動をしている団体もある。また【親子シューカツ】も普及しつつある。こちらは学生の保護者が積極的に関わり、親子二人三脚で内定獲得を目指すことであるが、企業や大学にクレームを入れるなどの過干渉も見られる。このような現状を踏まえて、企業は内定を出す際、本人の保護者宛に確認することがあるが、これを【親確(オヤカク)】といっている。

もう7~8年も前になるが、就活学生から「先生、私の受けた会社は【ブラック】でしょうか?」と質問された。このとき私ははじめて【ブラック企業】なる言葉を耳にしたのだが、それもそのはず、これは学生たちを中心とするSNSから生み出されたのである。この学生に対して、「やるべき仕事もしないで自分の権利だけを主張すると、逆に【ブラック社員】と言われかねないよ」と返したら、そそくさと退散していった。

入社してからのミスマッチによる離職を減らそうと、RJP(=Realistic Job Preview)という採用方法を取り入れている企業も増えてきている。これは採用前に職場や仕事の実態を、良い面だけでなく悪い面(残業の頻度など)も含めて、ありのままの情報を提供した上で、双方が納得して決めるという取り組みである。さて、採用面接では面接官のほうの態度や質問内容に問題がある場合もあるが、用意してきた想定問答以外の質問に答えられず、不可思議な受け答えや態度の学生に面喰う採用担当者の声も聞く。たとえば、大学生活の充実度等を聞かれて「普通に(頑張っています)」などと答えたりする。さらに表現力不足だけでなく、マナー欠如に気づいていない学生たちもいる。

「ゆとり世代」だけでなく「暴走老人」も出現するなど、世代間格差あるいはジェネレーション・ギャップが存在することは間違いないが、現在の企業幹部たちもかつては、【今どきの若者】であったことを思い出し、次代の牽引車として活躍できるよう、教育者としての姿勢も磨いていただきたい。

そこで2017年の「サラリーマン川柳」第1位に選ばれた次の一句をご紹介したい。

「ゆとりでしょ? そう言うあなたはバブルでしょ?」

寄稿:K.Y

※独立行政法人 労働政策研究・研修機構のHPより引用しております。