ZEN CLUB

2021年10月号 Number.534

人、街、暮らしの物語 010
ZENホールディングス ものづくりSTORY

教安寺新本堂建立工事(神奈川県川崎市)

現代の技で伝統を守る。

神奈川県川崎市の中心市街地にたたずむ教安寺。
経文きょうもんの描かれた螺鈿襖らでんふすまや江戸時代の梵鐘ぼんしょう鐘楼しょうろう山門を擁する名刹めいさつ
私たち池田建設は、本堂の建替え事業に携わることとなった。

お施主様の最大の念願は、
火災や地震に強い鉄筋コンクリートを用いながら
由緒ある寺にふさわしい本堂をよみがえらせること。
今の法制度では、このような商業地域(防火地域)での、
伝統的な木造本堂の建替えは、不可能に近いためだった。

木を使うことを前提に建てられてきた寺社建築を
今の素材と技術で再現するには、これまでの建替えとは別の工夫を要する。
仏の心にかなう本堂を実現するための配慮は、
屋根の反り、各寸法の比率、細部の意匠にまで及んだ。
中でも軒先に連なるたるき垂木たるきは、美しさとコストを両立させるため
プレキャストコンクリート製※の部材を、一本一本手作業で据え付けた。

2020年、足掛け3年にわたる工事を終えた教安寺の境内に
優雅でありながら力強い姿の本堂が再び姿を現した。
それは、伝統を守るための私たちの新しい試みが実った瞬間でもあった。

これからの寺社建築に必要な技術の獲得にも積極的に取り組んでいます。

半世紀余りにわたる世界文化遺産の薬師寺伽藍がらん復興をはじめ、数多くの寺社の再建・修復に携わってきた池田建設。立地も規模もさまざまな現場の中でも、防火地域での建替え事業では、コンクリートや鉄骨等燃えない建材の使用は避けられません。かつての工匠こうしょうの技に学びつつ、お寺や神社にふさわしいたたずまいを実現するプロセスは、一つひとつが新たな挑戦。これからの寺社建築のために、新たな工法にも積極的に取り組んでいます。

今回の教安寺本堂再建事業は、先代住職からの発願ほつがんで、引き継がれた現住職が進められたもの。また、担当された設計士・望月敬生よしお先生(望月敬生建築設計室)にとってはこの仕事が最後の作品となり、実施設計と工事監理は現代表のご子息に託されました。さまざまな人々の想いが込められた事業に参画し、無事完工に至ったことも、私たちにとっては忘れがたい思い出です。

黒色の石州瓦せきしゅうがわらが美しいつやを見せる本堂の大屋根。住職とゆかりのある島根県の窯元が焼き上げた特注の瓦は、耐久性にもすぐれる。
十分に乾燥させたヒノキ・ケヤキなどの良材をふんだんに使用した本堂内部の美しい意匠は、鉄筋コンクリートの躯体の内部に純木造の内陣ないじん外陣げじんをまるごと造り込むことで実現した。
見事な彫刻が施された教安寺の山門。工事期間中は解体・保管され、終了時に再び組み上げられた。
大屋根の正面下部には、大きな庇状の裳階もこしを設け、ゆったりとした軒下空間を確保。

〒102-0074 東京都千代田区九段南2-4-16 九段ZENビル
TEL:(03)3263-2900
http://www.ikeda-kk.co.jp/

「もの」から「心」へ

住まいに、大切なこと。
安心や安全はもちろん、快適さや便利さは
言うまでもありません。
住まいには、生活の「場」という機能的な役割だけでなく
心を健やかに育む「やさしさ」や「大らかさ」、
明日を生きる活力を培う「強さ」や「創造性」が大切だと
私たちZENホールディングスは信じています。
「もの」から「心」へ
そこに暮らす一人ひとりの心に、豊かさと潤い、
そして、いつも、いつまでも幸福を運ぶ住まいを
私たちは創り出していきます。

住まいを通じて一生のお付き合い
ZENホールディングス

私たちZENホールディングスは、生活支援、不動産、建設という3つの領域で事業を展開するZENグループ企業の純粋持株会社です。「住まいを通じて一生のおつき合い」。より快適な住まい、より豊かな暮らしへのこの「想い」を共にする会社が結集。力を合わせることで生み出されるグループの総合力とシナジーで、お客様の多彩なご要望や社会が抱えるさまざまな課題にお応えしてまいります。

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