ZEN CLUB

2023年 12 月号 Number. 560

Interior Idea

interior idea 24 邪を破り幸運を射止める 〈破魔矢〉

もうすぐお正月。初詣ではお参りして、おみくじを引いて、お守りや破魔矢を授与していただきます。
お正月の晴れやかな空気を堪能して、家に帰ったあとはその破魔矢、どうしていますか?
破魔矢の持つ意味や飾り方、処分の仕方など、意外とよく知らない人も多いのではないでしょうか。
せっかくの縁起物は気持ちよく飾っておきたいもの。わかりやすくご紹介しましょう。

インテリアアイディア:interior idea 24 邪を破り幸運を射止める 〈破魔矢〉

「破魔矢」の意味とは?

読んで字の如く「破魔矢」は「魔を打ち破る矢」として神社や寺院で授与される矢で、一年の幸運を射止める縁起物という意味もあります。破魔矢の矢尻が尖っていないのは人や物を射るためではなく、魔が発する邪気や邪心を破り浄化するためのものなので、刺さるように尖らせる必要がありません。

正式には、破魔矢は破魔弓で射ることでその効力を発揮するとされていますが、授与しているのは破魔矢だけという寺社は少なくありません。

これは、破るべき魔に対する矢を人が提示し、神仏や神職など破邪の力を持つ者が弓を構えてそれを射るものだから。全てを神頼みとするのではなく、人の願いと一体になってこそ、その役割が果たされるのです。

飾るときに気をつけることは

持ち帰った破魔矢は、神棚や床の間など家の中でも格式の高い場所に飾るのが望ましいですが、最近は神棚や床の間がない家も多く、その場合は目線より高い位置、空気が清らかな場所であればどこでもよいとされています。

家族が集まるリビングや、悪いものが外から入って来るのを防ぐという意味で玄関に飾ることも多いようです。ただし、いずれの場合でも矢の向きには注意が必要です。

立てて飾る時は、矢尻を天に向けないこと。破魔矢立てを使うなどして矢羽根を上にして飾ります。また、寝かせて飾る場合は、その年の凶の方角(干支と反対の方角:辰年は戌の方角=西北西)に矢尻を向けるとよいとされています。

今年1年の感謝をこめて

破魔矢は何年も同じものを飾り続けるのではなく、新しい年を迎えたら昨年の破魔矢は授かった寺社に返納します。授かった寺社が遠方の場合、近所の寺社でも良い場合が多いですが、事前に確認を。神社で授与されたものは神社に、お寺で授与されたものはお寺にお返しするようにしましょう。

神社ならばお焚き上げ、寺院ならば焼納という形で処分されます。年末や翌年の小正月(1月15日)の頃までに納める人が多いですが、寺社では基本的に一年中受け付けています。納札所や古神札納所へ、ない場合は社務所や寺務所に相談しましょう。

これまで破魔矢をなんとなく飾っていた方も、意味を知って願いを込めて、ぜひ来年も飾ってください。

正月に行われていた弓の競技「射礼」が由来と言われる破魔矢、今は初詣の風物詩に
神棚がない場合は、市販の破魔矢立て・破魔矢掛け、紐やフックなどで壁に飾っても良い
破魔矢といえば正月のものと思われがちだが、新築の上棟式や七五三などでも授与される
1月15日前後に行われる火祭り「どんど焼き(左義長さぎちょう)」でのお焚き上げも全国的な伝統行事