不動産・建設関係のトレンド
申請はお早めに! 「先進的窓リノベ2024事業」
家庭からのCO2排出削減に
電気料金の値上げが相次ぐ中、政府は各住居の窓を断熱改修し、省エネ化によってエネルギー費用の負担を軽減しようと、対象工事に補助金を交付する「先進的窓リノベ2024事業」の申請を3月から開始しました。
政府は、温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を推進しており、より一層、CO2排出を抑制しなければなりません。また近年、室内の温度差がヒートショックを引き起こし、脳梗塞やくも膜下出血などの発症リスクを高めることが指摘されています。
これらの社会情勢を背景に、窓の断熱改修によって「夏は涼しく・冬は暖かく」なるため、光熱費の節約はもちろん、健康面の改善や、家庭からのCO2排出削減も期待されています。
補助金上限は最大200万円(一戸あたり)
「先進的窓リノベ2024事業」の補助額は、一戸あたり5万円から最大200万円まで。対象になるのは「ガラス交換」、「内窓設置」、「外窓交換」です。
加えて、窓の工事と一緒に契約する場合に限り「ドア交換」も含めることができます。
補助金額は「窓の性能区分」と「窓の大きさ」によって変わります。具体的にどれぐらいの補助金そこでLIXILのサイトのシミュレーションを試みると、大窓(2.8㎡以上)2枚に「インプラス」という商品名の内窓を設置する場合、商品代+工事費の参考価格298,800円に対して、136,000円の補助金が出る試算です。
さらに、この工事による冷暖房費の節約は20年間で134,312円と試算されており、冷暖房費削減効果を考えれば、早いタイミングで断熱化をした方がお得、とも考えられます。
補助金額の上限が200万円と大きいことから、家全体の窓で断熱化を施したり、ドア交換も含めたりするなど、思い切った決断もできそうです。
まずは事業者に相談を
現在、政府は「先進的窓リノベ2024事業」だけでなく、「住宅省エネ2024キャンペーン」として、住宅の断熱性向上や住宅省エネ化を支援する計4つの補助事業を実施しています。
このうち「子育てエコホーム支援事業」には、リフォームの対象要件の中に「開口部の断熱改修」も含まれますが、補助対象となる製品や契約、着工の時期等の要件は異なるので注意が必要です。
また令和4年度補正予算事業として実施された「先進的窓リノベ事業」で補助を受けた窓やドアについては、「先進的窓リノベ2024事業」の対象となりません。一方で、「先進的窓リノベ事業」で補助を受けた窓やドアと別の箇所であれば、同じ家屋でも今回の補助金を申請することができます。
「先進的窓リノベ2024事業」の対象となるのは、2024年12月31日までに工事が完了するものです。
「窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓のリフォーム工事をすること」、「窓のリフォーム工事をする住宅の所有者等であること」などが条件になっています。
補助金を利用できる事業者や、補助金の対象となる商品については、HPで確認できます。交付申請は、予算の条件に達し次第、締め切られる予定です。
適応には細かい要件もありますので、まずは対象の工事を実施できる事業者に相談するのが良いでしょう。
〈参考〉
先進的窓リノベ2024事業
https://window-renovation2024.env.go.jp/
住宅省エネ2024キャンペーン
https://jutaku-shoene2024.mlit.go.jp
LIXIL「節電・省エネポータル 省エネ・補助金シミュレーション」
https://madohojosim.lixil.co.jp
先進的窓リノベ2024事業の対象工事の例
ガラス交換 | 既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事をいう。同じガラスであっても、既存サッシとの組み合わせにより、窓の性能区分が変わる。 |
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内窓設置 | 既存窓の内側に新たに内窓を新設する、または既存の内窓を取り除き新たな内窓に交換する工事をいう。ただし、外皮部分に位置する既存外窓の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に設置するものに限る。 |
外窓カバー工法 | 既存窓のガラスを取り外し、既存窓枠の上から新たな窓枠を覆い被せて取り付け、複層ガラス等に交換する工事をいう。 |
外窓はつり工法 | 既存窓のガラスおよび窓枠を取り外し、新たな窓枠を取り付け、複層ガラス等に交換する工事をいう。 |