ZEN CLUB

2022年 11 月号 Number. 547

不動産・建設関係のトレンド

大事な家族とずっと一緒に ペットと健やかに暮らす住まい

不動産・建設関係のトレンド 大事な家族とずっと一緒に ペットと健やかに暮らす住まい 

その愛らしさで、毎日の暮らしに豊かな時間とぬくもりを与えてくれるペットたち。
かつては犬も猫も外飼いが当たり前でしたが、今はその多くが室内飼いとなりました。
ペット事情は時代と共に変化しますが、いつの時代も大切な家族です。
ペットといつまでも健やかに暮らすための住まいとは?──改めて考えてみましょう。

現在のペット事情 ペット共生マンションが増加

2021年12月に発表された報告書(ペットフード協会:2021年全国犬猫飼育実態調査結果)によると、最新のペット飼育頭数は犬・710万6千頭、猫・894万6千頭、犬・猫推計飼育頭数全国合計は、1,605万2千頭。

少子化の続く日本では15歳未満の子供の数と比べ、ペットの数のほうが多くなっているのです。おうち時間が増えた今、飼い主とペット双方にとって過ごしやすい住まいかどうか、改めてチェックしてみるべきかもしれません。

最近では賃貸でも「ペットOK」から一歩進んで、「ペット共生」の物件も増えています。散歩から帰宅したときのためにペット用の足洗い場を設けていたり、ペットのシャンプーやブラッシングを行う専用部屋のグルーミングルーム、ペットがドアをくぐり抜けられるようにくぐり戸がついた物件なども見られるようになってきました。

また、エレベーターにペット乗車サインがついているケースもあり、他人と共用するスペースがある場合、こうした設備があるかないかは毎日のペットとの暮らしを快適にするだけでなく、近隣住民とのトラブル防止にも重要なポイント。

ペットを飼いたいけど買えないという人の理由で多いのは「賃貸だから」でしたが、ペット可・ペット共生のマンションが増えたことも飼育数の増加に影響しているのではないでしょうか。

犬と快適に暮らす 住まいづくりのポイント

毎日の暮らしに張り合いを与えてくれるペットですが、飼い主と動物の両方にとって過ごしやすい住まいかどうかはペットの年齢はもちろん、環境に応じて定期的に見直したいものです。

犬にとって毎日の散歩はストレス発散や運動のために欠かせません。室内だけで運動量が確保できる小型犬も散歩は大好き。帰ってきたとき足洗い場や散歩グッズを置ける玄関収納があると便利です。戸建ならドッグランや庭で遊べるスペースがあれば理想的ですが、室内でも自由に回遊できる動線を確保するとよいでしょう。

ただしキッチンには勝手に立ち入らないようゲートを設置して、調理中の危険から守り、食材の誤食を防ぎましょう。外や道路への急な飛び出しを防ぐためにも、適切なフェンスの設置は大切です。

猫と快適に暮らす 住まいづくりのポイント

猫は高いところが好きなので、キャットタワーを設置すると屋内でも退屈せずに過ごせますし、太陽の光が当たる場所にあれば暖かく日向ぼっこをしながらダニの駆除にもなります。

悩ましい爪研ぎには、硬くて安定した爪とぎ専用場所を用意しましょう。気に入ると同じ場所で爪とぎをするので、壁紙や家具での爪とぎを防ぐ効果も期待できます。

また、身軽な猫は棚やカーテンレールからエアコンに上ってしまうことも。さらにそこから危険な場所へ飛び移る可能性があるなら、インテリアやエアコンの位置も検討する必要があります。

シャンプーが楽にできるマルチシンクや、ひっかき傷や汚れに強く滑りにくいフロア材など、ペットの世話がしやすい住まいは、人にもペットにも暮らしやすい快適な住まいといえるのです。

ペットも歳をとる 10年、20年先まで考えて

ペットも飼い主も歳を重ねます。あんなに身軽に走り回っていたペットたちも、シニアになれば昔のようには体が動きません。人もつまづきや転倒の防止を考えて段差をなくすように、危険から守りながら、心身ともに健やかに過ごせる工夫をしましょう。

床は足が滑りにくく、肉球が傷つくような素材のものを避け、カーペットやコルク材などをひくことで足への負荷を軽減できます。また、シニアペットの留守番は心配なもの。まず大事なのは温度の調整です。エアコンだけでなく、窓を断熱性や遮音性の高いものにすることで外からの変化の影響を受けづらくできます。またペットカメラを設置すればスマートフォンなどで様子を見られるだけでなく、外出先からでもおやつをあげたり、コミュニケーションを取ることもできます。

人も思うように体が動かなくなる時がきます。ペットはもっと早く老い、介護が必要になるかもしれません。その時も十分に世話ができるように、お互い歳を取っても健やかに暮らせるように。20年先までイメージした住まいづくりを目指しましょう。

新型コロナ流行後、ペットとの生活や考えにどのような変化がありましたか?

ペットを飼う上で本当に大切なことは何だと思いますか?

TOPIC

大成ビルド株式会社のNESTAシリーズ「ワンニャホースタイル」は、家族のつながりと愛犬・愛猫との楽しい暮らしを考えた空間を提案。愛猫の年齢や性格に合わせてマグネットパーツを自由に変えられるキャットウォーク「にゃんぺき」や、ワンちゃん用足洗い場、回遊できるタイルデッキなど、ペットの願いも叶えるくつろぎと安心の空間です。

ワンポイント コラム

万が一のその時、ペットを守るために 「人とペットの災害対策」

地震や台風、水害など、災害は突然起こります。飼い主とペットが共に災害を乗り越えるためには、日頃からの備えが欠かせません。家具の固定やガラスの飛散防止対策、ペットフードも含め非常食などをまとめた防災バッグの準備のほか、大切なポイントとして以下の3点が挙げられます。

  1. 飼い主が自らの安全を確保することが、災害時にもペットを適切に飼養することにつながる
  2. 健康面やしつけを含めたペットの平常時からの適正な飼養が、最も有効な災害対策になる
  3. 災害時にはペットを落ち着かせ、逸走やケガなどに注意して、ペットとともに避難する

日頃から必要なワクチン接種や寄生虫を駆除し、「待て」「おすわり」等の最低限のしつけはもちろん、万が一に備えてケージに慣らしておきましょう。特に多頭飼育の場合、全てのペットを連れて逃げられるよう事前の準備がとても重要です。

自宅が安全な場合は在宅避難(自宅内避難)ができますが、避難する必要があった場合、避難場所はどこへ行けばいいでしょうか? 事前に自治体のハザードマップなどでペットの受入れが可能な指定避難所の確認のほか、危険箇所の把握や通行できないときの迂回路を確認しておきましょう。

人間だけでも思うように行動できない非常事態では、日頃の備えなしにペットと共に安全に避難することは困難です。不測の事態にパニックになり、ちょっとした隙に逃げだして行方不明になるケースも少なくありません。首輪や迷子札、マイクロチップの登録など、飼い主明示を忘れずに。はぐれずに一緒に避難生活を乗り切れるようにすることがまず第一。それは犬や猫に限らず、飼い主が生命を預かる全てのペットに言えることです。