ZEN CLUB

2023年 07 月号 Number. 555

<ZENグループの今>プロジェクトing

愛知県名古屋市 「HELLO,VISITS名古屋大学」

大学生のキャリア形成を支援、国立大学のキャンパス内に

学生向け会員制ラウンジ開設

ZENグループ・株式会社ユニホー(愛知県名古屋市)は4月末、株式会社i-plug(大阪市淀川区)らと共に名古屋大学のキャンパス内に学生向けの会員制ラウンジ「HELLO,VISITS名古屋大学」をオープンさせました。全国主要大学の近隣に設置されてきた「HELLO,VISITS」にとって、初めて国立大学の敷地内にオープンした今回の事業。両社に共通する思いとは?

全国主要大学に開設、大学敷地内は初

「HELLO,VISITS」は「Co-Creation Space(共創の場)」をコンセプトとする会員制ラウンジで、学生と企業・社会人、学生同士がさまざまにつながり、未来を担うイノベーター(改革者)同士の共創活動を支援するコミュニティスペースです。

これまで東京大学や京都大学、慶應大学、早稲田大学など10大学の近隣に店舗を開設してきましたが、国立大学の施設内にオープンするのは今回の名古屋大学が初めてのケースとなります。

学生は会員登録をすれば誰でも施設を利用でき、勉学や友人との歓談はもちろん、社会人や企業から直接、情報を得たり、さまざまなワークショップ・イベントに参加したりできます。

ユニホーはPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)事業に積極的に取り組んでおり、名古屋大学では留学生寮の整備事業などで実績があります。

PPPの代表的な手法であるPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ:民間主導による公共サービスの提供)事業では「名古屋大学(東山)地域連携グローバル人材育成拠点施設整備等事業」にも取り組んでおり、代表企業として事業全体のプロジェクトマネジメントをしながら民間付帯施設事業も担当。

今回のPFI事業のコンセプトが「地域連携のグローバル人材育成」である点を重視し、どのような施設の開設が望ましいのかを検討する中で、一般的なカフェや売店などより「HELLO,VISITS」のような施設が学生のニーズにマッチするのではないかと考え、出店を打診しました。



全ての学生が社会とつながる場に

「HELLO,VISITS」はi-plugが運営にあたっています。i-plugは2012年創業。「つながりで世界をワクワクさせる」をミッションとし、新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」の運営で知られます。

2022年5月に発表した中期経営計画で「Vision2030」として「生涯のキャリア・ポテンシャルを最大化するためのアクションをあらゆる人が実行できる、プラットフォームを実現する。」を掲げ、誰もがキャリアの可能性を最大化できるプロダクトラインナップの拡張を目指してきました。この取り組みの一環としてVISITS Technologies株式会社(東京都港区)から2022年10月にHELLO,VISITS事業などを譲り受けた経緯があります。

i-plug店舗事業推進部GMの筏井岳さんは「HELLO,VISITS」について「就職活動中の学生に限らず、すべての学生にとって社会とつながり、自身の可能性を広げて、一歩前に踏み出すきっかけになるような場所として価値を提供したい」と話します。

左側建物、名古屋大学北部厚生会館の1階に、学生たちで賑わう「HELLO,VISITS名古屋大学」がある。右側建物はEI創発工学館

リアルに出会う価値を再確認

現役の大学生は入学時からコロナ禍の影響を大きく受けてきた世代です。「学生さんたちはコロナ禍で対面のコミュニケーションが制限されてきた分、さまざまな人たちとリアルに出会える場や、誰かと一緒に何かを成し遂げる機会を求めています。

改めてオフラインの価値が再認識されつつある中、HELLO,VISITS事業がそのニーズに応えられる場になるのではと考えています」(筏井さん)。

また大学の敷地内に立地する強みを生かし、「HELLO,VISITS名古屋大学」では大学との連携をより強く図りつつ、民間企業の運営だから展開可能な学生・企業・社会人とのつながりを打ち出していく、とのこと。

中でも学生のキャリア支援に取り組んできたi-plugだからできる、スタートアップ企業とのコネクション提供は学生にとっても新しい視点やチャンスを得られるきっかけになるでしょう。

未来を担う若者たちの世界を広げたい

ユニホーにとってもPFIにおける民間付帯施設事業という全く新しい挑戦ですが、PPP/PFI事業を担当する小山美久さんは「長い目で見て、未来を担う学生さんたちのキャリア形成や考える機会を創出する事業の一部を担えることは、とても意義のあることです」と話します。

またi-plugの筏井さんも「個人的な思いですが、私自身が若い頃、このような場所や機会があったらよかったのに、と感じることが集約されているのがHELLO,VISITS。これ
からの社会で活躍していく若い皆さんの世界を広げるお手伝いができれば」と話し、両社ともに目指す方向性は同じようです。

開設からまだ日が浅い「HELLO,VISITS名古屋大学」ですが、早いペースで利用者が拡大しており、学生からは歓迎の声が聞かれます。

今後、さまざまな企画も検討していく、とのことで、民間主導の学生向けキャリア支援に期待が高まっています。

写真左から、株式会社i-plug 店舗事業推進部GM 筏井岳さん、店舗事業推進部 田中祥子さん、株式会社ユニホー プロジェクト推進課 小山美久さん