ZEN CLUB

2025年 01 月号 Number. 573

見て!触れて!「ものづくり」を考える大人の技術探訪

日本で唯一の大工道具の博物館

竹中大工道具館
TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM

神戸にある日本で唯一の大工道具を専門に扱う博物館

7つのコーナーで構成された常設展や、定期的に開催するさまざまなテーマの企画展があり、国内だけでなく、海外から訪れる来館者も多い人気のスポットです。

職人が試行錯誤を続け、
多種多様になった大工道具
約1,000点を展示

良いものほど使い込まれ、消耗されていく大工道具。竹中大工道具館では、大工道具を民俗遺産として収集・保存し、7つのコーナーで構成された展示で日本が誇る木造建築を支えた職人たちの技と心を伝えています。

「道具と手仕事」のコーナーでは、昭和初期に本格的な建物をつくるのに必要とされた大工道具179点が壁一面に展示され、作業に応じてさまざまな種類を使い分けていたことが視覚的に理解できます。特に鑿(のみ)(49点)と鉋(かんな)(40点)で半分を占めており、緻密な木組みと精密な仕上げが、建物に求められていたことが推測できます。

ここ見てポイント1

柱に触れ、槍鉋(やりがんな)の痕跡を感じる

吹き抜け部分に建てられた唐招提寺金堂組物の実物模型。普段間近に見ることができない軒下の木組みを地下1階からじっくりと観察できます。柱に触れることもでき、槍鉋で仕上げた質感を感じられます。

ここ見てポイント2

道具の進化で効率もUP

「歴史の旅へ」コーナーでは、縄文〜明治時代のさまざまな大工道具が展示されています。石斧と鉄斧では、伐採スピードが3〜5倍アップしました。

Let’s チャレンジ!

一方向に木材をつなげていく継手。大阪城大手門の南の柱に使われている継手(つぎて)(模型)は、簡単に外すことはできますが、元に戻すにはちょっとしたコツが必要です。

どんなふうに戻すかは現地で試してみよう!

館長の河﨑さん

大工道具からものづくりの素晴らしさを感じていただければ。漆喰仕上げの外壁や吉野杉で組み上げた舟底天井、土壁を削って凹凸をつけた大壁など昔ながらの職人の技と現代の技術が融合した建物自体にも見どころがたくさんあります。

DATA

  • 兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1
  • 開館時間/9:30〜16:30(入館は16:00まで)
  • 休館日/月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日〜1月3日まで)
  • 入館料/一般:700円
        シニア(65歳以上):500円
        大学生・高校生:500円
        中学生以下:無 料
  • https://www.dougukan.jp/