ZEN CLUB

2026年 06 月号 Number. 590

<ZENグループの今>プロジェクトing

東京都渋谷区 防災啓発資料「防災だより」

居住者の防災意識向上を目的とした発信プロジェクト

防災啓発資料「防災だより」制作の裏側

自然災害が多発している一方で、居住者の防災対策としては「必要性は理解しているが、具体的行動に至っていない」ケースが多いという昨今。

その改善にライフポート西洋は真っ向から臨み、一つのきっかけとして防災啓発資料「防災だより」の配信をスタートしました。

ここに至る経緯や展望などについて、発起人の望月さんにお話を伺いました。

「防災だより」

ホームページにて、2026年3月から2027年2月まで年間配信を行っている「防災だより」。当社管理物件における居住者に向けて、段階的に防災力を高めていただくことを目的としています。

https://www.lifeport-s.com/service/prevention/disaster/

日本建物管理事業部 チーフ 望月 大希 Daiki Mochizuki

居住者の安全を守る第一歩個人の想いが全社的な取り組みに

―「防災だより」が発行されたきっかけを教えてく
ださい。

2021年頃、私が担当しているマンションの理事会の役員の方から「防災の知識を居住者さんに広げていきたい」とご要望をいただいたことがきっかけです。

弊社でも防災ハンドブックの発行をはじめとした啓蒙活動を行っていましたが、「防災の重要性は理解しつつも、なかなか行動に移せていない」「1度だけの情報発信では、知識が定着しない」という課題がありました。

私も以前から「防災の知識は継続的に情報発信を行った方が良い」と考えていましたし、社内の防災チームに加入したタイミングだったこともあり、「防災だより」を制作することに決めました。情報を12のテーマに分けて、2027年2月まで毎月発行し、2027年3月以降は再発信を行う計画にしています。

初めは個人的な取り組みで、私の担当物件で配布しようと考えていたのですが、社内の防災チームの方々に相談すると賛同してくださり、全社的に発行・発信されることになりました。

まさか、自分が考案した物がここまで規模が大きくなるとは、思っていませんでしたね。

防災知識を伝えつつアクションを促す表現を追求

― 制作においてこだわった点を教えてください。

こだわったのは“情報の整理”と“行動を促す表現”です。防災に関する正しい知識を伝えようとすると、どうしても文章量が増えて専門用語も多用しがちです。

実際、私が作成した原案も1テーマにつき4ページ分の分量になってしまいました。そこで、防災チームや制作会社の方々にアドバイスをいただきながら、2ページ分に情報を整理しました。

また、今回は居住者様にアクションを起こしていただくことが最大の目的です。

そのため、例えば「今すぐ倒れるかもしれない家具」は「今すぐ対策できる家具」に言い換えるなど“行動を促す表現”にはとてもこだわりました。

一方で、単に言葉を柔らかくするだけでなく、例えば「お家にいましょう」ではなく、あえて「在宅避難」という言葉を使うことで緊急性や重要性が伝わるよう“言葉の強弱”も意識しました。

言葉だけでなく、イラストや図表などはプロの手をお借りしたおかげで素晴らしいものができました。協力してくださった方々には感謝しかありません。

継続的な発信はもちろん参加型の取り組みも実施したい

― 今後の展望について教えてください。

今後は居住者様が備えを確認できる「チェックシート」の導入や、いざという時の行動を問いかけるアンケートの実施など、より実践的で参加型の仕組みも実施したいと思っています。

また、一部のマンションで行われた「夜間避難訓練」のような優れた事例を他の物件にも水平展開し、それぞれのマンションの特色に合わせた防災対策も行いたいと考えています。

何事にも熱意を持って取り組むという望月さん。制作をサポートした防災チームの方々は、望月さんが作成した12ヶ月分の原稿を見た際、その完成度の高さに驚き、「これならいける」と確信したそうです。
『知っている』から『動ける』へ。「防災だより」がもしもの時に備えるきっかけになってほしい。